西日本新聞に「非/接触のイメージ」の記事を掲載して頂きました。
ー以下西日本新聞より抜粋
美術家の神園宏彰が福岡市博多区店屋町のアルタスギャラリーに持ち込み、同ギャラリーのディレクターでもある峰松宏徳と企画した「非接触の3人展 沈黙の中のエクリチュール」。3人の作家が、ウェブページへ絵画を中心とする作品画像を投稿した、完全な「バーチャル展覧会」だった(第1章=4月23〜30日。第2章=5月15〜25日)。
ギャラリー内は空っぽ。壁に作品を掛けた加工写真が日々公開された。簡易的な擬似鑑賞だが、いずれは同じ構成で実際の展示も開催したいという。バーチャル展示では、作品サイズなど詳細情報の記載が省かれており、実際の展示が実施されることで初めて、鑑賞者がパソコンやスマホの画面で触れた情報との差を確認できることになるという趣向だ。
教科書に載るような名画を初めて見たとき、大きさや質感が想像と違い、驚くことがある。圧倒されるにしろ、裏切られるにしろ、実物を前にした時に、自分の中のイメージが塗り替えられる体験は美術鑑賞の大事な要素の一つで、ギャラリーや美術館はそれを提供するために欠かせない空間なのだ。生で見られない展覧会が逆説的にそう訴えかけているように感じた。
Artas Galleryアートディレクターの峰松宏徳です。
福岡市在住の美術家である神園宏彰さんとの共同企画である非接触をテーマにした企画展、『非接触のエクリチュール』が6月3日付けの西日本新聞の文化面で特集されました。
当初はゴールデンウィークの開催を目指し、2月下旬頃から神園宏彰さんを含む数名のアーティストの方たちと全く別の企画の進行をしていましたが、4月7日の緊急事態宣言発令とともに進行していた企画が一旦中止になりました。
中止になってしまった企画の代替案として、神園宏彰さんから今回の企画の提案を受け、記事でも書かれている様にゴールは実際にギャラリーでの展示を目指し企画展が開催された次第です。
第一章を4月23日から4月30日、第二章を5月15日から25日にかけて行い、2020年6月20日から6月26日までの期間で非接触をテーマにした展覧会の第三章(完結編)の開催を行っております。
第三章では第一章、第二章で作成された合成展示画像の元となる作品の展示を行っていますが、ギャラリーは開廊せず、展示期間中に展示の配信を行って行き、第三章終了日の26日以降にギャラリーを通常通りの営業に戻す予定です。
日本政府の指針に従い、まずは蜜を避ける為に第三章の打ち合わせはリモート、ギャラリーでの設営は最低限の人数で、短時間で行いました。
この企画が立ち上がり進行して行く過程で、何度もこの時期にこの企画を行う意味が本当にあるのか、一体自分は何をしているのかと迷いながら作業していましたが、こうやって紹介して頂けて、ようやくこの企画が意味を持ち始められたと思っています。
今後、オンラインでの企画も新たに行って行く予定ですので宜しくお願いします。
2020.06.22
Artas Gallery
アートディレクター
峰松宏徳